解体工事業登録
解体工事業を営むには、解体工事業の登録または解体工事業の建設業許可を受ける必要があります。登録も許可も有効期間は5年間と同じですが、その他の事項(請け負うことができる工事の金額、場所等)が異なります。
こちらでは解体工事業の登録を中心に見て行きます。
建設業許可との比較
解体工事業について、登録と許可とを比較すると、登録の場合は1件500万円未満の工事のみ施工可能であり、施工可能な場所は登録を受けた都道府県内に限られます。
それに対し、許可の場合は500万円以上の解体工事も請け負うことができ、全国どこでも施工可能です。
登録 | 許可 | |
施工可能な工事 | 1件500万円未満の工事 | 1件500万円以上の工事も施工可 |
施工可能な場所 | 登録を受けた都道府県内に限る | 全国どこでも可 |
審査手数料(新規) | 33,000円*東京45,000円 | 90,000円*知事許可の場合 |
手続きの難易度 | 許可に比べ容易 | 難しい場合が多い |
解体工事業の技術管理者
解体工事業の登録の際には、技術管理者を選任する必要があります。技術管理者になれるのは次の(1)~(5)いずれかに該当する人です。
大学又は高等専門学校で土木工学科等を修めて卒業した場合は、解体工事に関し2年以上の実務経験が、高等学校学又は中等教育学校で土木工学科等を修めて卒業した場合は、解体工事に関し4年以上の実務経験が必要です。
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(種別は「第一種」又は「第二種」に限る)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(種別は「土木」に限る)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別は「建築」又は「躯体」に限る)
・1級建築士
・2級建築士
・1級のとび・とび工の技能検定に合格した方
・2級のとびあるいはとび工の技能検定に合格した後、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する方
・技術士(2次試験のうち建設部門に合格した方に限る)
社)全国解体工事業団体連合会が実施する「解体工事施工技師」の試験に合格する必要があります。
※(1)~(3)の必要となる実務経験の期間は、国土交通大臣が実施する講習又は指定する講習「解体工事施工技術講習」を受講することで1年間の短縮が可能です。
登録拒否事由
登録申請者又はその役員等に次のいずれかに該当する者がいるとき、解体工事業の登録を受けることはできません。
●解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過しない者
●解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間を経過しない者
●解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内に役員であり、かつ、その処分日から2年を経過しない者
●建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行を終わってから2年を経過しない者
●暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
●暴力団員等がその事業活動を支配する者
解体工事業登録費用
解体工事業の登録申請の際、行政庁へ支払う登録手数料は次のとおりです。
新規登録手数料(33,000円)、更新登録手数料(26,000円) *東京都以外
新規登録手数料(45,000円)、更新登録手数料(26,000円) *東京都に登録する場合
解体工事業の登録申請を行政書士に依頼した場合の報酬額の目安は5万円程です。
解体工事業登録の必要書類
□申請書
□誓約書
□技術管理者に関する書類(実務経験証明書、卒業証書、合格証、講習修了証等)
□登録申請者及びその役員等に関する調書
□登録申請者やその役員、技術管理者の住民票の抄本(マイナンバーの記載のないもの)
□登録申請者が法人の場合、履歴事項全部証明書
解体工事業登録後の事務手続き等
【標識の掲示】
解体工事業の登録を受けた後は、営業所及び解体工事の現場ごとに定められた形式の標識を掲示しなければなりません。
【帳簿の備え付け保管義務】
解体工事業者は、営業所ごとに帳簿を作成し、請負契約書等(コピー可)を添付して事業年度終了後から5年間保存しなければなりません。記録する内容は次の5点です。
① 注文者の氏名又は名称及び住所
② 施工場所
③ 着工年月日及び竣工年月日
④ 工事請負金額
⑤ 技術管理者氏名
※帳簿はPC等で記録したものでもよいとされています。
【変更届】
商号・名称、営業所、役員、技術管理者等登録事項に変更があった場合、変更後30日以内に変更内容に応じた書類等を添付して変更届が必要です。変更届の場合、行政庁へ支払う手数料は発生しません。
【もし建設業許可を取得したら…】
解体工事業の登録を受けた者が、建設業の「土木工事業、建築工事業、解体工事業」の許可を受けたきは、登録はその効力を失います(法第21条第5項)。この場合、許可を受けた登録業者は都道府県知事に対して、その旨通知しなければなりません。